国語力養成問題(2)

スポンサーリンク
スポンサーリンク

本文

まず、本文を挙げる。

 ①自然科学の分野なら、「事実」と「事実」を比較することで、因果関係を明らかにできる。②光が植物の成長にどのような影響を与えるかを調べるには、同じ植物から取れた種をある程度用意して、同じ土壌、同じ水分を与えて、光を当てて育てるグループと光を当てないで育てるグループを比較すればいい。③光を当てて育てるグループを対照群、光を当てないで育てるグループを介入群として、両者に違いがあれば、光が植物の成長に大きな影響をもつという因果関係を推測できる。

④ところが、社会科学の分野なら人為的にそのようなことはなかなかできない。⑤学生をランダムに二つのグループに分けて、新しい教育方法と古い教育方法を試してみて、どちらのグループの成績が高くなったのかを比較するというのが近い方法だ。⑥しかし、実際にはこのようなことが試されることは少なく、一律にカリキュラム改正が行われる。⑦せいぜい比較対象は、それ以前の学生の成績だ。⑧ところが、毎年、学生の資質や意欲はカリキュラムの改正とは異なる理由で変わっているかもしれない。⑨ある学年は、意欲ある学生が偶然多かったかもしれない。⑩また、ある学年の年は、非常に気温が高くて学習効率が低かったかもしれない。(11)インフルエンザの流行があったかもしれない。様々な条件を揃えて比較しないとダメだ。

反事実的思考力: 大竹文雄のブログ(http://ohtake.cocolog-nifty.com/ohtake/2017/04/post-ee77.html)

 

問題

問1.上の文を要約せよ。

解説

本文は大竹文雄さんのブログからの引用である。この記事全体では、反事実的思考を鍛えることが重要だと主張しているが、その一部の抜粋である。一部の文章とは言っても、文章の流れを追わなければ、全体として何が言いたいのか見えてこない。

抜粋した文章では、対比がされている。すなわち、事実の比較について自然科学と社会科学が比較されている。①から③までは自然科学での場合を、②以降は社会科学の場合について書いている。

具体的な流れはこうである。①では自然科学では事実と事実の比較で因果関係を明らかにすることができると述べ、その具体例として②③が続く。したがって、①=(②+③)である。

それに対して、④では社会科学の場合を書いている。④の前「しかし」によって対比を表している。⑤でいったん譲歩しており、⑥でそれを否定している。確かに近い方法では因果関係を明らかにする方法は存在するが、実際に行われていることは少ない。⑦は付加である。⑧は「ところが」を使ってはいるが、文章の前後をみるに議論全体としては変わっていない。付加の接続詞だと解釈するべきだろうか。⑨⑩11も⑧と同じように付加として考える。したがって、図示すると、④=(⑤+⑥)+⑦+⑧+⑨+⑩+11になる。

答え:自然科学の分野は事実と事実を比較することで因果関係を明らかにすることはできるが、社会科学の分野では難しい。

コメント