読解力が低い7つの原因とその対応

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読解力が低い原因

学校でよく言われる原因

読解力が低い原因は様々ある。しかし、私が学校の授業でよく聞いた原因は「語彙が少ない」「要約できない」の2点だけであって、その他の原因については言及されることもなかった。しかし、実際の原因はそのように単純に割り切れるものではなく、むしろ複数の原因からできあがっているものだと思われる。

読解力が低い原因は一つではない

つまり、読解力が低い原因は一つではないのである。しかし、原因といっても何があるのかわからない人がいるかもしれない。国語がもともと得意な人に聞いても、彼らは原因を考えたことがないため、わからないままになってしまうところもある。国語の先生についても同様である。自分の経験則や主観だけで原因を言ってしまうのかもしれない。国語の専門だからといって、 読解力について何もかも知っているわけでないことに注意しておく必要がある。

読解力のチェックリスト

そこで、読解力に影響するだろう原因を以下にまとめてみた。いわば、チェックリストである。当てはまるもの・興味があるものがあったら、対応策も書いてあるので参考にしてみてはどうだろうか。一般的な対処法とは違う切り口にしてみたので違和感を感じるかもしれないが、こういった項目別の区分けは把握しやすくなると思われる。

  • すぐ感情的になる
  • 接続詞を無視する
  • 語彙・ボキャブラリーが少ない
  • 要約できない
  • 人に説明ができない
  • 間違えた原因を考えない
  • わかったふりをする

以上、7つの原因が読解力に影響するものと思われる。それらがどれくらい読解力に関与し、どれくらい読解力を低下させているのかは個人差はあると思われるが、一般的にはこうだと思われていたものをやっても効果がない場合、ここに書いてあるものを参考にして実践いただければ幸いである。

読解力が低い原因1:感情的になる

都合よく読む、怒りっぽい

まず、一つ目に取り上げられるのは、「感情的になる」ということである。読んでいるときに自分の都合にいいように読んだり、日常生活においても怒りっぽくなることも同様である。

自分の思い込みで本を読んでしまうと誤解が多くなって、相手が言わんとする意図がわからなくなってしまう。この人はこう言いたいんだろうなと根拠を持たずに読んでしまう可能性がある。

そして、怒りっぽくなることも同様である。冷静さをすぐに欠いてしまう性格だと、他者に対してだけではなく、文章に対しても平常心をもって聞くことができなくなってしまう。

こういった感情的な性格は読解はそもそもできる状態にあるとはいえず、日常的に読解ができない原因にもつながる。そのため、改善しておいたほうが今後の人生においてもためになる。

読解力をつけるための対応策

とはいっても、自分勝手に読み取ったり性格を改善するとなると、多大な努力を要したり、とうてい無理な芸当かと思われてしまうかもしれない。読解についてはとくに自分の性格の癖も反映されてしまう。しかし、完全ではなくてもある程度まで改善しようと思えば、いくらか対応策はある。

1.相手の意見を聞く

まず、自分勝手に読み取ってしまう症状についてだが、これは自分の思い込みで物事を判断することである。具体的には、これは習慣的に身についた思考の癖でもあるため、まずは相手の意見を聞くように、自分の感情をおさえることである。即座に相手の言い分を決めるのではなく、十分にそうだといえる根拠をそろえてから判断するのである。

2.相手を受容する

次に怒りっぽい性格についてであるが、これは相手を受け入れるための練習が必要になる。読解はまず相手があってはじまることであるため、相手を受け入れる準備がされていなければ対話ができない。つまり、相手に対する受容と共感する能力を身につけることで、相手の言っていることが理解できるようになるのである。具体的には、安易に自己啓発本に手を出さず、カウンセリングの技術をつまみぐいしておくと効果的である。たとえば以下の本がおすすめである。

上記の本を読むことによって、カウンセリングの理論を大まかに学べる。ここで注意しておきたいのはあくまでも受容や共感ができることが目的なので、決して誰かを癒したり、相談相手になることを考えないようにすることである。読解に必要な受容の能力を身につけることを念頭におくこと。

読解力が低い原因2:接続詞を無視する

接続詞とは

接続詞も読解に重要な役割をもつ。接続詞は前後の文脈関係を決定づけるものであるため、接続詞に無頓着な姿勢でいれば、当然文章が読めなくなってしまう。

接続詞を甘く見ない

接続詞は確かに日常的な生活で使っているということもあって、「そんな簡単なことか」と見過ごしてしまいがちになってしまう。しかし、一度謙虚になってみなければそのありがたみはわからないかもしれない。

たとえば、受験勉強ではよく「しかし」 の後に重要なことがあると教えられる。確かに「しかし」の後に大事なことが書かれていることがあるのは否定できないが、それだけがすべてではない。話題を変えるために使ったり、前述べたことに対する比較の意味で「しかし」を使ったりする。

こういった「しかし」 の使われ方については、雑に扱っていると、文章を読解するときに何がなんだかわからなくなってしまう。接続詞は文章のつながりを作っているのに、それを無視しているからである。そうならないように、読解において意識して使えるようにならなければならない。

読解力をつけるための対応策

それにはどうしたらいいのかというと、それに適した参考書を読むのがいいだろう。具体的には、以下の「論理トレーニング」を読むのがよい。

論理トレーニングは、接続詞に焦点をあてた本の読み方を教えてくれる。解説重視ではなく、演習中心ということもあって、読解力を身につけやすい構成となっている。読解をする上での接続詞の役割は大きいため、接続詞の理解を深めようと思ったら、まずこの本である。この本は読解力のみならず、精読する力も養ってくれる。

読解力が低い原因3:語彙・ボキャブラリーが少ない

必要ではあるが、必須でもない

語彙やボキャブラリーは多いのに越したことはないが、逆に少なくても読解に困ることはない。それは文章の前後関係からわかったり、論理構造からそうだと判断できる要素があるからである。だいたいの言葉のニュアンス、話の流れから察することができるからだろうか。したがって、読解において必要ではあるが、それが必ずしも必須ということでもないという捉え方ができる。

少なすぎても困る

ただし、知っている語彙やボキャブラリーが少なすぎても、読解できる範囲が狭まることは否定できない。あまりにも知らない言葉が多い場合は、読解することが難しく、解読するのに時間がかかるのは間違いないだろう。

読解力をつけるための対応策

そうならないように、最低限の知識は詰め込んでおきたいものである。それには「現代文キーワード読解」や「ことばはちからダ 現代文キーワード」を使うのがよい。ここで気をつけておきたいのは、日常的に聞きなれない高度な語彙を覚えるのではなく、基本的な語彙を覚えることである。基本的な語彙さえ習得していれば、読解においてはよほど難しいものを除けば困ることはなくなる。

 

 

読解力が低い原因4:要約ができない

読解力は要約力と表裏一体

読解力をつけたいとき、要約しろとよく言われる。逆に要約できなければそれは読めたとは言えないといってもよい。

要約というのは筆者の主張をつかみ、読めたことを証明するためのものである。つまり、要約する力と読解力は表裏一体であるため、読解力が低いということは、要約できないことと同じ意味であると考えることができる。したがって、要約できるようになれば読解力も向上するのは否定できないだろう。

読解力をつけるための対応策

では、要約ができるようにはどうすればいいのか。まず、新聞の社説は題材にしないことを書き加えておく。新聞の社説はそれぞれの会社が中立を装いながら、自分勝手に意見を述べているからである。

そうではなく、市販の参考書をつかって要約するように試みる。オススメの本としては、「大人のための国語ゼミ」である。この本には国語の教科書として推薦したいほど、学校教育で教わってこなかった要約の方法が書かれている。この本に載っている要約の方法を身につけることで、読解の方法も養われると思われる。

読解力が低い原因5:人に説明できない

説明には理解力がいる

人に説明できないことも読解力を低下させる原因になりえる。物事を理解したかどうかはそれを人にわかる形で説明できるかどうかにかかっている。理解していなければ説明しようがないからである。

これはどの教科にも当てはまることであるが、とくに国語においてはそれが当てはまるかもしれない。説明するには理解力が伴う。しかも、知らないことについて教える場合はとくにそうである。したがって、説明できない人は説明できるように理解を深める必要がある。

読解力をつけるための対応策

他人に説明すること

説明ができるようになるにはどうすればいいか。それには相手が必要である。友達や兄弟、家族などが最適だろう。彼らに自分の手に入れた知識やストーリーなどを聞かせて、わかりにくい点があれば指摘してもらうことである。指摘してもらうことによって、自分の悪い点やいい点などを発見することができる。

ICレコーダーを使う

しかし、何らかの事情で相手がいなければ自分で練習する必要がある。具体的にはICレコーダーなどを使って、自分がどのような説明をしているのか、他者の視点になって観察することである。文章の場合は自分の書いた文章を一日か数日ほど置いてみて、振り返ることだろう。

読解力が低い原因6:間違えた原因をふりかえらない

なぜ正解になったのかも考える

間違えた原因を振り返らないのも読解力を下げる原因になりえる。振り返らない原因はただ単にめんどうだったり、自分の慢心からそうなっている場合もある。いずれにしても、なぜそれを間違えたのかを見るだけではなく、なぜ正解になったのかも考えなければ読解力は身につかない。

正解になった過程が大事

答え合わせと聞くと、間違いばかりに目を向けてしまう。そうではなく、正解した原因も含めてふりかえるのが正しい答え合わせである。たとえば、正解があっていても、それが曖昧な答えであったり、適当な回答で偶然あっていたとしたら、それは正解とは言えないだろう。正解になった過程が間違っていれば、それは正解ではなくなってしまうのである。

間違った過程も考える

間違えた原因についてもそうである。どの程度までの解釈があっていて、どこから間違っているのか。そういった細部の箇所まで突き詰めてふりかえることが答え合わせである。ただ漠然と答え合わせをするだけでは効果は期待できない。もし思い当たる節があれば、答え合わせの方法を振り返るべきだろう。

読解力が低い原因7:わかったふりをする

簡単なようで、難しい

最後にわかったふりをすることである。曖昧な理解をせず正確に理解していくのは簡単なようでいて実は難しい。しかし、それでも読解力を身につけるには、忍耐強く、謙虚になって理解していかなければならない。そうしなければ誤解したままの状態で文章を読解し、誤解したままの状態で間違った読み方をしてしまうだろう。したがって、わかったふりをすることもまた、読解力を低下させてしまう。

読解力をつけるための対応策

わかったふりをするのを防ぐのは確かに難しい。わかりやすく書かれているものが間違いを含むものだったり、自分も知らずにわかったふりにしていることがあるからである。しかし、これには以下の2つの方法で予防することはできる。

演習問題を解くこと

一つは、演習問題をたくさん解くことである。一度理解したことを活用できるようにするには演習することが一番であるが、これは自分の間違いを正すきっかけにもつながるし、学んだことの理解にもつながるからである。

たとえば、数学の問題についてもその公式がどのように使われているか、演習問題を通して理解することができる。演習は学んだことを着実にするためのものだけではなく、学んだことの理解を深めるためにも有効なのである。ただし、一回解いただけではなく、何度も解くことが必要になる。

人と話すこと

もう一つは、人と話すことである。つまり、人と認識の共有をすることで自分の知識の間違いを見つけることができるのである。人と話していて自分の間違いに気づいたり、逆に相手の間違いに気づくことができるからである。そういったことを繰り返すことによって、わかったふりを予防する方法になるだろう。

まとめ

以上、読解力が低い原因を7つにわけて書いてみたがどうだっただろうか。自分の怒りっぽい性格が読解力に影響することが意外に思われたり、人に説明できないことが読解力につながっていたりすることに違和感を覚えた人もいるかもしれない。

それはそれで自由でいいかもしれないが、大事なことは読解力が低い原因を単純に考えるのではなく、いろんな角度からの視点で見ることで分析することである。そういった角度から考えて、自分のできない原因を追求していくことが、読解力をつけるための一歩だと思われる。

読解力は普段から使っている日本語を読み解くものであるため捉えにくいところはあるかもしれないが、読解力がなければ本に関する理解を深めることはできないため、苦手意識があれば時間をかけてでも克服したいものである。

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