紙の本と電子書籍は誰のためにあるのか

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紙の本と電子書籍

紙の本と電子書籍の比較はよくされる。たとえば、紙の本はかさばるが、電子書籍はかさばらない。紙の本は中古で買えるが、電子書籍は定価になる。紙の本はメモできるが、電子書籍はそれができない・・・など。

こういったメリットやデメリットの話はどこのサイトでも取り上げられるし、よく話題になる。耳にタコができるほど聞く話である。しかし、このような比較はあくまでも機能面での話であって、結局は個人の自己満足で終わってしまう。そのため、実りのある議論は少ないように感じられる。

では、紙の本と電子書籍の一番の違いは何だろうか。

2つの決定的な違い

紙の本で人との会話が生まれる

結論からいえば、他人とつながりが持てるかどうかである。具体的には、紙の本があれば、電車や職場、学校やレストランなどで人と会話ができる点である。

たとえば、友達が自分の家に遊びにきたとき、本棚があればふと気になって眺めることがあるだろう。そのときに、会話が生まれるのである。友達が熱心に読んでる本であれば「これは私も持ってる!この本ってこういう本がいいよね」といったコミュニケーションが生まれる。

また、「この本ってどういう本?」と質問されたら、紹介する機会が生まれる。つまり、紙の本がそこにあるだけで、人とのつながりが生まれ、人間関係をつくることができるのである。

電子書籍は自分しか見ない

それに対して、kindleのような電子書籍では、人とのつながりが閉ざされてしまう。つまり、電子書籍は自分しか使わないため、スマホやタブレットを貸さない限りは永遠に人の目に触れることがなくなる。本棚に紙の本が置いていない分、人との共有する機会はなくなり、そこでのつながりは持つことができなくなる。

確かに電子書籍は用語検索や持ち運びのしやすさの点では紙の本よりすぐれているが、人と会話する点では紙の本に劣ってしまう。

このように、紙の本と電子書籍とでは、他人とのコミュニケーションができるかどうかで、だいぶん意味合いが異なってくる。

結論として、「紙の本は他人と、電子書籍は自分と話すためにある」と言ってもよいのではないだろうか。

友達や兄弟、姉妹、または家族と共有したい場合は紙の本を選び、電子書籍はそうではないもの、共有したくない本を選ぶようにするのが最も理にかなった使い方ではないだろうか。

使いやすさだけを見ていては紙の本と電子書籍の選び方がわからなくなってしまう。そうではなくて、誰と話すかを考えた上でこれらの本を選ぶのである。

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