国語力養成問題(1)

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本文

まず、問題となる本文を引用する。

 

①かつてレガシーコードと言えば、「昔に作られた、理解できず、変更の難しいコード」を揶揄する俗語でした。②しかし、テストによる品質保護を重要視する目的で、「テストのないコード」と再定義されました。③(中略)この定義は、厳しすぎる印象があるかもしれません。④しかし、確かにきれいなコードは有益ですが、それで十分というわけではありません。⑤なぜなら、テストなしにコードを変更することは「危険な賭け」だからです。⑥テストがあれば、検証しながらコードの動きを素早く変更することができます。⑦コードを改善するといっても、テストがなければ、コードがよくなっているのか悪くなっているのか、本当の意味ではわからないのです。

「プリンシブルオブプログラミング」p39 上田勲

問題

問1.本文中の不要な接続詞を挙げよ。

問2.⑦に適切な接続詞を加えよ。

解説

この文章を大まかに説明すると、こうである。①と②でレガシーコードの定義に触れ、③でそれに対する評価を下している。ただし、文章の比重は軽いので、これは付加に近い。そして、②をうけて④は具体的な内容に入り、⑤と⑥でその理由を述べている。⑦は⑤の解説である。「危険な賭け」を「本当の意味ではわからない」と言い換えている。記号で示すと、①、しかし② + ③。 ④(なぜなら⑤+⑥)=⑦になる。

問1の解説

問1では、④の「しかし」が答え。②の内容の解説を行なっているだけで、議論の方向が変わるわけでもない。むしろ、「しかし」を入れると、不自然な文になる。ここでは譲歩の表現を使っており、一旦、既存のレガシーコードの定義を認めておいてから、それだけがレガシーコードではないこと(=新しいレガシーコードの定義)を述べている。

問2の解説

問2では、「すなわち」が答え。⑦の内容は⑤の言い換えである。⑤「テストなしにコードを変更することは・・・」と⑦「テストがなければ・・・」と言い回しもほぼ同一内容になっているため、わかりやすかったと思う。

まとめ

本文自体は平易であったが、立ち止まってよく読んでみると、接続詞の使い方が不自然だったり、必要な接続詞が抜けていたものがあった。こういった文章は自分で補ったりして、文章の論理構造を抑えていくのがベストだと思われる。

また、問題文には「本当の意味では・・・」という表現が使われていたが、これは作文においては不適切であるので、使わない方がよい。「本当の意味は・・・」というのは強調表現であるのはいうまでもないが、自分自身の願望を指すケースが多いからである(したがって、文章の信ぴょう性もなくなってしまう恐れがある)。

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